2010/03/06
晴れた午後の南青山。
少しぎこちなさそうな表情で、
「寒シマメ漬け丼」を注文する一人の女性。
ぼくは慣れた手つきで白ゴマと小葱をのせ、
最後に刻みのりをパラリとちらし、その女性に手渡した。
と、その時。
その女性から予想もしない一言が飛びだした。
「海士町で働くには、どうすればいいですか?」
~初々しいスーツ姿の若者は春の代名詞でもある~
よくよく話を聞いてみると、その女性は島根大学の女の子で、
何でも就職活動で東京をグルグル回っている最中らしい。
しかも、前に海士町にも来たことがあり、
離島キッチンのことはMくんから聞いていたという。
これは何とか段取りをつけねば…。
とりあえず、ぼくは観光協会のAくんに電話をかける。
現在、海士町に若い女性の働き口はないか、と。
看護師さんや、家庭科の先生などの募集はあったけれど、
それ以外の職種となると、すぐには出てこない。
しかしながら、近い将来に「女将さん」を募集する予定なはず。
そんな旨を、Aくんは電話口でその女性に伝えたらしい。
まあ、東京で就職活動をしている女性に対して、
いきなり「女将さん」はないだろうとは思うけれど、
頭の片隅にでもとどめていただけると幸いである。
その女性の名はYさん。
女将さんにせよ、他の仕事にせよ、Yさんの望む仕事が見つかることをぼくは願うばかりである。
そして、こういう思いがけない展開が生まれるのが、「離島キッチン」の醍醐味でもある。