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島根県海士町の情報発信サイト


東京浅草の神社の神主で、イラストレーターの女性。
初めて聞いたら「???」となるような紹介をされた女性が市野智絵さん。

先日、海士に初来島して保育園から高校までたくさんの子どもの
似顔絵を描いてくれたり、授業をしてくださいました。
帰られる当日にはキンニャモニャセンター創業祭ステージで、
巨大な紙に「キンニャモニャ踊り」をする町のみんなを描いてくれました。

その個性溢れる作品の「智ちゃんワールド」に浸りながらも、
その作品一つ一つに込められた背景も聞いてみてください。

言葉を追ってくと、あの個性的な笑い声が今も聞こえてきます。



(※この特集で登場する似顔絵は、amanaスタッフによるものです。)

 
やっぱり描くことって好きなんですか?

ん~、


喜んでもらえるのが好き。神主だしね。
私笑ってるところしか描かないんだ。

似顔絵って嫌な顔とか、変な仕草のほうが描きやすいし、
そのほうが受けるんだけどね。

でも、「いつもこうやって笑っていたいな」
って思える絵を描いていたいの。
だからいつも目も口も、絶対に笑わせて描いてるよ。
海士のひとは最初っから笑ってたけどね(笑)

ほら、誰だって普通に楽しい顔描いてほしいと思うの。
その人の一番いいところを引き出せたらサイコー。
一番いい瞬間をシャッターで焼き付けてる感じなのね。
話しながら、一番いい顔をまってる感じ。わかるかな。




 

だったら写真で顔を描くってのは楽ですか?

どういう風に描いてほしいかわかるから、
楽といえば楽だけど 会ったほうが確実だよね。
写真だけだと人間味が薄れる。
人形っぽくなっちゃうんだよね。
たまに、それを求めるひともいるんだけど、そのときは、
求められたものを描きます。

そうやって、ひとに喜んでほしいとか、そう思ったきっかけってあるんですか?

特にないなぁ。自然に。
例えばね、神社のお祭りで、子どもが集まっていたりして、
神主としてだとあんまり話しかけられないけど、
前に絵を描いたりした子どもたちだったら、あのおねえちゃん、
って感じで話しかけてくるのね。
そういうときに、やっててよかったなぁって思うよね。

確かに、こんなに話しやすい神主は初めてだよね(笑)

いいのかな?いいよね(笑)ははははっ




今回の海士で一番楽しかったのはなんでした?

全部楽しかったけど、人との出逢いかな。
こういう風にあったかく初めて会ってるのにあったかく包んでくれる。
女の子の一人旅で島に行っててどきどきしてたし、
でもあったかく包んでくれるので安心できた。
普段できない体験もできたし。

これ、生で食べられちゃうの?ってのもたくさんあったし。
そしてそれが、ホントにおいしかったし!

今食べているものが、誰が作って、誰がとってきたのか、
全部島のひとたちが創っていることがわかるってのは、
愛情を感じるよね。

あぁ、このひとが作ってくれたんだって思えると、
すごいおいしく感じるよね。

あとさー、皆がこの島好きだってのを感じたなぁ。
海士人ってTシャツとか着てるし。自分のブランドとして着て、自慢してる。
「新しいの買ったんだー」って。それ見て皆褒めてるしさ。

他ではないよ、これ。東京人買った、とかないない(笑)
すごい素敵なことだと思う。

それ、僕もびっくりした、最初!

最初ね、amaging(「最高!」)かと思ったの。
「アメイジン(amaging),海士人!」いいなぁ、はははは


これ、使おうよ~。はははっ。


 

でも仕事ってどうやって選んでるんですか?
もうかなり増えてきてるんじゃない?

全部やってる。努力家なんです。でもね、不思議と必要な仕事しかこない。
チャンスだから必然で来てるって思って、一生懸命やってれば縁がくるの。

この間なんかは、ウルトラマンショーに出て、
場面に合わせて、実際に使われているBGMで
古事記を両手で描くってのもやったのね。

ぇえええ???

それがね、SFだから音楽が神話にあうの!
実際にできたし。

こうウルトラマンが来たシーンなんかで
「イザナギがっ」なんて言ってね。

で、できないって思ってたことやってたら、次につながったのね。
実際にその仕事をやってなかったら今日はここに来れなかったよ。

でもまぁ今若いから全部できたけど、
これからは少しずつ変わるかなとは思ってる。見えてきたっていうか。
例えば海士が好きだから海士はやろうとか、
ちょっとずつ絞っていこうとは思ってる。






 

神主とイラストレーターって同じ位置づけなんですか?
どちらかに軸をおいてるんですか?

それは神主。

けど、イラストが神主を助けてくれてるの。
うちの神社で結婚式やった人に、ウェルカムボード描いたら
それを記念にずっと神社にきてくれるとか。

着物の着付けのイラストとか、掃除マニュアルのイラストとか、
関係ないかな、なんて思ってたけど、着物の勉強して
着始めたら神主らしいねって言われたり、神主は清潔第一!ってね。
ははははっ!

なんかねイチノさん見てると、
神主か~って遠ざけられるものなのが、
楽しいし、楽しそうだからつい近づける感じがするんだ。

それはきっと島でも同じで、この島の子たちが
どれだけ島の楽しさを感じられるか。

神主って堅そうとか、農業嫌とか、じゃなくて
それをいかに楽しめるのか。
そんなメッセージを市野さんからうけた気がしてるんだ。

2つの職業をもっているからこそ、その楽しさって、伝わってくるのかなって。
神主だけでも、イラストだけでも楽しさ伝わってこなかったかもね。

うん。神主一本でしてたら社会、自分の位置づけがわからなかったの。
でも、島の子も同じだと思うけど、一度外に出て、それからふと自分が必要と
されていることに気づけるかどうか。そこが大切だよね。



 

今さ、世界が変だよね。食料も石油も。
東京だって、うすうすこのままじゃ大変なことになるって気づいてる。
ギョウザだって食べられなくって。
当たり前だと思ってたことが当たり前じゃなくなってきた。

そうするとね、自給自足、自然が残ってるこの島はやっぱりすごいよ。
アピールなんてしなくても、いつか時代が勝手にこちらを求めに来るよ。
時代がこの島を必要とする時期が来ると思うの。

外からIターンの人が多いのもその辺
薄々気づいてるからじゃない?

神社もおなじなの。
神社は祭だったり、コミュニティや大切なものを残すもの。
祭ってね、米と密接につながってるの。元々稲の豊作を願って、
祭が 行われて、やっぱりそこでコミュニティもできて。
それを大切にすることは同じこと。

今ね、お米ってエタノールをとることに成功したんだって。
最悪必要な燃料がなくなったら米からとれる。
そういう意味でも日本で絶対に守るのはお米。


水がきれいで米がとれるこの島は、すごい大切だよね。
うまく言えないけど、この島が大切なのと、
私が神社を大切にしたい想いは、もしかすると同じなのかもね。





  市野 智絵

今戸神社 神職イラストレーター。
1976年生まれ。今戸神社のあとつぎ。生まれも育ても浅草の
チャキチャキの下町っ子。東京家政学院短大を首席で卒業。
ぬいぐるみデザイナー・パタンナーとなり、アンパンマン、ポケッ
トモンスター、ミニモニなど多数の作品を手がける。03年、國
學院大學にて神主の階位である〝正階〟を取得。

現在、絵本作家・デザイナーとしても活躍中。著書に『いちご
ちゃん』(トムズボックス刊)がある。



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